(この記事の執筆者:塚田聡子)
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先日の話だが、朝一番で映画を観に行ってきた。選んだのは、「プーと大人になった僕」 。 くまのプーさんは、ディズニーのアニメにもなっている有名な童話。クリストファー・ロビンという少年が、100エーカーの森のなかで、くまのプーさんや、子豚のピグレット、とらのティガー、ろばのイーヨーらと一緒に繰り広げる物語だ。A.Aミルンという作家が、息子であるクリストファー・ロビンのぬいぐるみが活躍する物語を、と考えて書いたもの。
映画は比較的シンプル。大人になったクリストファー・ロビンは、仕事に追われ、妻や娘と一緒に過ごす時間もとれずに、家族の絆を失いつつあった。そこへ、100エーカーの森で仲間を見失ったプーが助けを求めてやってくる。上役から担当部門の経費削減案を至急提出するよう命じられていたロビンは、プーを森に届けてそのまま去ろうとするが、結局仲間捜しを手伝うことに。その途中、ロビンはプーに、「僕は昔の僕じゃ無い」「もう君とは友達じゃない」などの言葉を投げつけ、傷ついたプーは姿を消してしまう。しかし、一人残されたロビンは、プーの仲間達を探している間に、徐々に子どもだった頃の気持ちを取り戻す。プーの仲間達は無事に見つかり、ロビンはプーとも再会することができた。
喜んだのもつかの間、ロビンは急ぎ会社に戻らなければならなかった。ところが、ティガーのいたずらで経費削減案を書いた書類が鞄から抜き取られ、代わりにドングリや木の枝、イーヨーのしっぽが詰められていた。プーが気づき、みんなでロビンの会社に書類を届けることになる。ここに、ロビンの娘のマデリンが加わり、ロビンの妻がマデリンを追いかけて大騒動になる。結局、書類はロビンの元に届かなかったが、ロビンは、仕事より家族が大切だと気づき、失いつつあった家族との絆を取り戻す。
「何もしなければ何も生まれない」と繰り返すロビンに対し、プーは、「僕は『何もしない』を一生懸命やってるよ」「何もしないことは、最高の何かにつながるんだ」と言う。
効率や成果ばかりを求めるロビンに対し、何もしない時間も大切なんだと教えるプー。
仕事に追われ、目先のことだけにとらわれていると、視野が狭くなり、行き詰まってしまう。そんなとき、いったん全てを脇におき、家族や友人と過ごしたり、自分の好きなことをすることで、別の視点からものを見られるようになる。そのことが、プーが教えてくれた、「何もしないことは、最高の何かにつながるんだ」の意味かもしれない。